【池上彰の行動経済学入門】初めて学ぶ方におすすめ!日常生活で見る行動経済学をザックリ学べる1冊!

「行動経済学って最近よく聞くけどどんな学問?」
「行動経済学の勉強をしたいけど、どの本から読んだらいいか分からない。」

そんな方々に、「池上彰の行動経済学入門」をおすすめ致します。

  • 噛み砕かれて説明されており、非常に分かりやすい。
  • 行動経済学を初めて学ぶ方におすすめ出来る。
  • 日常生活で見る行動経済学をザックリ学べる。

そんな本書をご紹介いたします。

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良かった点・印象に残った点

行動経済学を活用したビジネス戦略

行動経済学が世の中でどのように活用されているのか?
今回、マーケティングの観点から個人的に気になった3点をご紹介いたします。

返金保証付きのサービスや商品が有効な理由は?

通販番組などでも、

  • ○○日以内であれば返品保証付き
  • ○○日使ってみて、気に入らなければご返品ください。

などの、文言を聞く場面は増えていないでしょうか。

これは、行動経済学の理論に則ったやり方になっております。

返品保証付きの制度は、事業者側に下記のようなメリットがございます。

  • 返品保証をするのは、商品やサービスにそれだけの自信があると
    消費者に好印象を与える事が出来る。
  • 返品保証には保証期間がある為、その期間は消費者にとって
    いわば「お試し期間」。
    ダメなら返品すれば良いと、入会や購入のハードルが下がる
  • 一度購入すると、行動経済学で言う「保有効果」が働く為、
    実際に返品する人は少ない。
  • ダイエットやトレーニングのサービスは、「サンクコスト効果」も働く為、
    返金を求める人は少ない。

保有効果
 →自分の持っているものに、実際よりも高い価値を感じる事。

サンクコスト効果
 →投資したお金や時間、労力を「もったいない」と思い、
  損をすると分かっていても、やめられないこと。
  サンクコスト(埋没費用)→すでに投入し、回収できない費用のこと。

このように、「保有効果」、「サンクコスト効果」により、
実際に返品する人は少なくなっているのです。

選択的知覚を利用した効果的な訴求

選択的知覚とは、

「さまざまな情報の中から、その人にとって重要で興味関心のある情報が
 選択されて、知覚されること」です。

それ以外の情報はスルーされています。

企業にとって、この選択的知覚を利用する事は、より効果的な訴求を可能にします。

  • ○○県にお住まいの方限定!
  • ○○歳〜○○歳の方に朗報!

YouTubeなどでこのような広告を見た事がある方は、多いのでは無いでしょうか。

情報を受け取る側は、自分との接点から選択的知覚が働き聞く耳を持つようになる訳です。

スノッブ効果を活用したマーケティング

スノッブ効果とは、

他人とは違うものを持ちたいという心理が働く事です。

スノッブ効果のベースとして、他人との強い差別化願望があります。
(大勢の人が持っているものに対しては、買いたくないという心理)

その為、

  • 限定商品
  • 入荷待ちの商品
  • コラボ商品(期間限定)

など、希少性、レア感を演出する事は「スノッブ効果」や「保有効果」を
狙ったマーケティングとなります。

  • 「私だけ」という特別感。
  • 多くの人が持っていないものを手にれた優越感

これが、消費者に大きな喜びを与えるのです。

代表性ヒューリスティックから見る、確率の落とし穴

代表性ヒューリスティックとは、

代表的、典型的な例をもとに人や物事を判断する事を言います。

  • 公務員=真面目と判断する
  • 背が高いあの人は、バスケかバレーボールをやっているだろう。

などです。

物事を素早く判断する事に関しては、この「代表性ヒューリスティック」は有効です。

しかし、注意しなければいけない事もございます。

それは、サンプル数の少ない偏った情報を一般化し全てを判断してしまう事です。

例えば、ある育毛剤が4人中3人に効果があったとします。

確率で言えば、75%の人が効果がある事になります。

非常に効果のある育毛剤と思ってしまいますが、サンプル数がたったの4人では
その確率は全く当てになりません。

このように、サンプル数の少ない情報を一般化する事は「少数の法則」と言います。

※アンケートの標本誤差を5%以下にするには、サンプル数は400必要との事です。

日頃から、偏った情報で全てを判断しないようによく考える事が重要になります。

「ナッジ」東日本大震災の教訓

ナッジとは、

「肘でそっとつつく」意味で、人々の行動をより良い方向に促す事を言います。
強制ではなく、好ましい方向へ人々を誘導するのです。

身近な例で言うと、下記のようなものです。

  • コンビニで見る、レジに並ぶ列を表す「足跡」のマーク。
  • 男子トイレの便器に貼ってある、シール。(的になる。)

東日本大震災の際、岩手県釜石市の小中学校では子ども達は速やかに避難をしました。
それを可能にしたのは、

  • 防災教育に力を入れていた。
  • 過去にこの地域では何度も津波の被害があり、
    「自分の命は自分で守る」と言う教訓が受け継がれていた。

などの理由が挙げられております。

自然災害の少ない地域では、実際に災害が起きた際には避難行動が遅れがちです。
その理由としては、

  • 避難することが心身の負担になり動かない。
  • まだ大丈夫だろうと、行動を先延ばしにしてします。

などがございます。

このように、中々避難に行動を移さない人々への有効な呼びかけは、

多くの人はすでに避難しています」です。

同調効果に弱い日本人には特に有効との事です。

同調効果
 →周りの人と同じ意見や行動をとる事。

実際に、釜石市で災害があった際は、小中学生が避難する姿を見て、
周囲の方達も避難を行なったとのことです。

このように、同調効果をナッジに活用する事で、災害時の人々の避難を促す事が可能になります。

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池上彰の行動経済学入門(働く君に伝えたい「本物の教養」)

書名池上彰の行動経済学入門
(働く君に伝えたい「本物の教養」)
監修池上 彰
発行人中村 公則
編集人滝口 勝弘
編集担当神山 光伸
発行所株式会社 学研プラス
印刷所中央精版印刷株式会社
価格¥1,480-(税込)

まとめ

全体の印象として、

  • 噛み砕かれて説明されており、非常に分かりやすい。
  • 行動経済学を初めて学ぶ方におすすめ出来る。
  • 日常生活で見る行動経済学をザックリ学べる。
  • イラストとセットでの構成でサクサクと読める。
  • 青色主体の為、目に優しく読める。

行動経済学を学びたいと考えられている方は、一度手に取ってみてはいかがでしょうか。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

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