予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
様々な実験より行動経済学を学ぶ事が出来ます。
- 悪用厳禁な「おとり効果」
- 先延ばしクセの治し方。
- 無料の製品が起こす経済効果。など
日常生活に活かせる事から、私たちの一つ一つの判断の決定が
どれだけ周りからの影響を強く受けているのかを学ぶ事が出来る1冊です。
「予想どおりに不合理」の良かった点を3つご紹介いたします。
良かった点3選
様々な実験結果から行動経済学を学べる
著者が行った様々な実験結果を元に行動経済学を学べます。
実験から得たデータを元に、同じ実験でも条件を変え再度実験を行う。
その結果を知る事で、行動経済学の理解度を深める事が出来ました。
個人的に印象に残っている実験についてご紹介いたします。
おとり効果について
おとり効果とは、2つの選択肢の中に、第3の選択肢を加える事で、ある一つに選択を促す事です。
例えば、Aランチ¥2,000 Bランチ¥1,000があった場合、店側はAランチをたくさん売りたいのに
Bランチばかり出ている状況があるとします。
そんな時に第3の選択肢として、Sランチ¥3,000を作ると
Aランチがよく出るようになるという話です。
※消費者の中で、Sランチは高いけど、Bランチは少ししょぼいかも知れないから
Aランチにしようと考える傾向にあるという事です。(松竹梅なども同じ原理ですね。)
本書では、マサチューセッツ工科大学の学生(男女)の写真を撮り、
実験者に好みの人の写真を選んでもらう事をしております。
3枚の写真の選択肢がある中で、1枚にはある仕掛けがされており
実験結果は驚くべきものでした。
おとり効果について、理解を深める事が出来ました。
プライミング効果について
プライミング効果とは、見たり聞いたり経験した事が、認知や行動に影響を及ぼす事をいいます。
本書では「乱立構成課題」を課した実験協力者たちが、
その後の行動にどう影響を及ぼすかを見ております。
(※乱立構成課題→ばらばらの単語を並び替えて文を完成させる事。)
乱立構成課題の中で、攻撃的な言葉を連想させたり、優しい言葉を連想させたりすると
その後の行動にどう影響を及ぼすかを実験しておりました。
その実験結果は驚愕した事を覚えています。
ぜひ本書を手に取って読んでみてください。
問題にどう向き合うかの解決策も明記がある。
本書では、行動経済学の視点から様々な問題を取り上げております。
- 先延ばしの問題
- なぜ必要以上に買い物をしてしまうのか
- 貯蓄をしなければならないのに、なぜ出来ないのか。
こういった問題に、なぜそのような事が起こるのか、原因を理解した上でどう向き合い
対策を行なっていくのか、学ぶ事が出来ました。
少しずつでも自分の行動に落とし込めれば、自分自身変わっていけると感じました。
「従来の経済学」と「行動経済学」との違いについての説明が分かりやすい。
従来の経済学は、人は合理的な判断の元、行動する事を前提に考えられており
行動経済学は、人は非合理的な判断をするという考えのもと研究が進められております。
第15章(最終章)にて、この事を裏付けるような実験があり、
とても分かりやすく、面白かったです。
人はこんなにも些細な事に影響を受け、判断が変わるのかと感じさせられました。
予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
書名 | 予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 |
著者 | ダン・アリエリー |
訳者 | 熊谷 淳子 |
発行者 | 早川 浩 |
発行所 | 株式会社早川書房 |
印刷 | 三松堂株式会社 |
製本 | 株式会社フォーネット社 |
価格 | ¥1,210ー(税込) |
様々な実験結果を元に行動経済学を深く学ぶ事が出来る1冊です。
こんな人におすすめ
- 行動経済学の初心者向けの本を読んで、もっと行動経済学を深く学びたい方。
- 習慣化を身に付けたい、先延ばしクセを治したい方など。
まとめ
非常に内容の濃い1冊だと感じております。
非常に多くの実験から、行動経済学を学ぶ事が出来る、「予想どおりに不合理」。
おとり効果の章であった、マサチューセッツ工科大学の学生(男女)の写真を撮り、
実験者に好みの人の写真を選んでもらう実験は、とても衝撃を受けました。
もっと深く行動経済学を学びたいと思わせてくれる1冊です。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
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